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微差圧とは|微差圧計を選定する際の注意点と代表的な用途に合わせた製品をご紹介

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微差圧とは|微差圧計を選定する際の注意点と代表的な用途に合わせた製品をご紹介

微差圧計とは


微差圧計とは、500Pa以下の微小な差圧計測に用いられる差圧計を指します。
そもそも差圧とは何でしょうか? 差圧とは、任意の圧力を基準とした2点の圧力差を指します。
プラスの差圧を「陽圧」、マイナスの差圧を「陰圧」とも言います

例えば、容器Aの圧力が0.5MPaGで、容器Bの圧力が0.2MPaGの場合、両者の差圧は0.3MPaと言えます。
各容器にゲージ圧の圧力計を設置して、二台の差から差圧を求めることもできますが、その場合、圧力計が二台必要となります。
ですが、圧力接続ポートが二つあり、差圧を直接出力する差圧計であれば一台で済むため、システムを簡素化させることができます。

※絶対圧、ゲージ圧、差圧の違いについて知りたい方はこちらもご参照ください。
 → 圧力計/圧力センサの基礎知識:「差圧」「ゲージ圧」「絶対圧」の違いを解説

Pressure_Category_Tokushu1.jpg


微差圧計は、任意の2点間の圧力計測だけでなく、大気圧との微小な圧力の差を計測する際に用いられることも多いです。
後ほどご紹介するクリーンルームなどの室圧監視は、これの代表的な用途例です。



微差圧計/微差圧センサを選定する為の確認事項

微差圧計は用途に応じて適切な製品を選定することが大切です。用途に合わない差圧計を選定すると正しい計測ができないだけでなく、故障の原因にもなります。
今回は、微差圧計を選定する際、特に重要となる事項について解説します。


ⅰ 測定対象物質及び状態:ドライガス、液体、腐食性の有無など

差圧計によって、測定可能な物質、状態(液体/気体)が異なります。また、材質などによって腐食性物質への使用可否も変わってきます。
特に、気体と液体では使用できる差圧計が全く変わってきますので注意が必要です。


ⅱ 差圧レンジ

差圧レンジは、想定される最大差圧に対して少し余裕を持たせることを推奨します。
これによって想定外に大きい差圧が発生しても計測が可能となり、過大圧による故障リスクも低減できます。
また、差圧レンジは後述する精度にも大きく関係してくるので、適切な差圧レンジを選ぶことが大切です。


ⅲ 許容できる精度誤差

多くの差圧計の誤差は、最大測定値(FS/フルスケール)に対して定格誤差(±○○%)をかけることで求められます。
例えば「差圧レンジ:0~100Pa / 精度:±0.5%FS」のスペックを持つ差圧計なら、精度誤差は実際の測定値に関係なく「±0.5Pa」です。
実測値が10Paでも40Paでも、誤差は「±0.5Pa」なので、ターゲット差圧とFSの乖離が小さくなるほど精度よく計測できます。

連動の様子

微差圧計の用途例①:クリーンルームなどの室圧監視

Cleanroom_image

クリーンルームは、空気の清浄度が規定以下に管理された空間を指します。
塵埃などの微細な不純物が入らないように、常に外気圧よりわずかに高い圧力(陽圧)を維持しています。
圧力差は約10Paと、人が感知できないほどの差です。半導体製造現場だけでなく、食品工場や製薬工場で多くの工場、施設で使用されています。


陰圧室は、クリーンルームとは逆に外気圧より低い圧力に維持された空間です。
コロナウイルスの流行時には、病院での感染拡大を防ぐために多くの陰圧室が設けられました。
陰圧室内は外気より低い圧力なので、ウイルスなどが外に漏れにくい構造になっています。陰圧室の基準は「>-2.5Pa」で、こちらも微小な圧力差です。


微差圧計の用途例②:HVAC関連(フィルターの詰まり監視)

Data Centor image.jpg
HVACシステムは、工場、病院、研究所、クリーンルーム、データセンターなどの環境維持に使用されます。
HVACシステムに使用されるエアフィルタは、ダストや不純物の捕捉だけでなく、システムの稼働効率にも影響を与えます。
エアフィルタの主な役割は以下の通りです。


【粒子のろ過】 
微細な塵やほこりによる機器の詰まりや性能低下を防ぎます。

【空気の清浄度の確保】 
有害な粒子やアレルゲン、揮発性有機化合物(VOC)を除去し、医療や製薬などの現場で清潔な空気を維持します。

【ライフサイクルコストの低減】 
微粒子の蓄積を防ぎ、HVAC機器の寿命を延ばします。

フィルタの状態を監視するためには、差圧の監視が有効です。フィルタが目詰まりするとエアフローが悪くなり、フィルタ前後の圧力差が大きくなります。
この変化を監視する為に差圧計は用いられる為、非常に重要な役割を果たしています。


室圧監視、HVACにお勧めの微差圧計/微差圧センサ


弊社は多種多様な微差圧計/微差圧センサを扱っていますが、ここでは室圧監視、HVAC用途で特におすすめの製品をいくつかピックアップしてご紹介します。
※製品写真をクリックすると、各製品ページに移ります。
 

Differential_Pressure_sensor_model264

① セトラ社 微差圧センサ モデル264 

  • クリーンルーム、製薬・食品工場、データセンタなど、HVAC用途で実績多数
  • 最小0~25Paの超微差圧レンジあり
  • セトラ社独自の静電容量式センサで数Paの変化をリニアに計測
  • ±0.4%FSの高精度オプションあり
  • ゼロ・スパン調整ネジがついている為、現場で微調整可能
Differential_Pressure_Monitor_Lite

② セトラ社 微差圧モニタ モデルLite

  • 表示器一体型のコンパクトな微差圧モニタの為
  • 視認性の高いLEDライトによるアラーム機能で室圧の状態を簡易に把握
  • アナログ出力も付く為、中央制御システムによる遠隔監視も可能
  • 閾値設定、アラーム設定、ゼロ点調整等は本体ボタン操作で変更可能
Digital-Manometer_ASL30

③ デジタル微差圧計 マノエースASL30

  • セトラ社の高精度微差圧センサASLを内蔵
  • 最小0~100Paの微差圧レンジで製造可能
  • ±0.1%FSの高精度を実現(FSレンジ500Pa以下は±0.2%FS)
  • 簡易なゼロ点調整、持ち運びに適したコンパクト設計
  • 現場での微差圧計の校正に最適
  • 微圧の発生には自社製のハンドポンプLPGがオススメ!
Differential_Pressure_Calirator_Microcal

④ セトラ社 精密微差圧発生器 Microcal

  • NASAの特許技術とセトラ社の高精度微差圧センサを組み合わせた精密微差圧発生器
  • 最大8時間駆動のバッテリを搭載の為、現場での校正作業に最適
  • タッチパネル操作で任意の圧力を発生、被校正器の出力確認も可能
  • 基準器となるセンサはモジュール式の為、最適な差圧レンジに変更可能
  • 多数の差圧計の校正に必要な工数の削減に貢献
  • 1週間からのレンタルサービスあり! 詳細はこちら

まとめ

今回は、微差圧計を選定する際の注意点、代表的な用途である「室圧監視」と「HVAC」に適したオススメ製品のご紹介とともに、微差圧について特集致しました。
エア・ウォーター・メカトロニクス(株)ST事業部は、多種多様な圧力計・圧力センサをラインナップしております。
深い専門知識を持った経験豊富なスタッフが用途に合わせた選定からお手伝いします。
圧力の計測、圧力計の選定でお困りごとがあれば、まずはお気軽にご相談ください。
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